今回は、「花や野菜の培養土」に水はけの良くなる土を混ぜて、多肉植物に適した培養土を作る方法を解説します。
花の培養土を使って多肉植物の土を作る
多肉植物の土、何を使ってますか?
私は、「自分で配合した土」に「花、野菜の培養土」を混ぜて使っています。
この土を使うことで、適度な栄養分と水持ちを実現でき、多肉植物がすくすくと成長します。
多肉植物を育てる環境は人によって異なります。日照時間や風通し、使用する植木鉢の種類によって配合比率を調整して最強の培養土を目指しましょう。
花、野菜の培養土を使うメリット
市販の培養土は、PH調整済み、肥料成分も適量に調整されているため、失敗することがほぼ無いのがメリットです。
そのほかにも、
- 肥料で多肉植物の生長が早くなる
- 程よい水持ちを実現可能
- 必要な分だけ土を購入できる
といったメリットがあります。
花や野菜の培養土をアレンジする
まず、水はけ重視で多肉植物の土を作ります。
後から培養土を混ぜるので、水持ちと肥料は培養土で補うことを想定して配合します。
step
1用土を混ぜよう
多肉植物の土として、よく使われる用土は下記のとおり。
- 日向土(ボラ土)
- 鹿沼土(硬質タイプ)
- 赤玉土(硬質タイプ)
- パーライト
- 軽石
今回は、日向土1:硬質赤玉土1:硬質鹿沼土0.1の割合で配合しました。
今回使った用土はこちらです。
「硬質」の土は価格が高いですが、粒が崩れずに水はけと通気性が長期間維持されるので、妥協せずに「硬質」と書いてあるものを選びましょう。
少し酸性に振りたいので、少量の鹿沼土も配合しています。
このまま植え付けても育ちますが、この土に「花、野菜の培養土」を配合することで、肥料成分と保水性を補います。
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2花、野菜専用の培養土を用意する
「花、野菜の培養土」といっても、ピンからキリまであり、安いものなら14リットル198円、高いものだと同量で500円だったりします。
安すぎるものは質が低いので、それなりの値段のものを選びましょう。
「花、野菜の培養土」を選ぶ際のポイントとしては、
- ピートモス、もしくはココピートがベースとなっている
- 肥料の効く期間が30日以上のもの
この2点をチェックしておきましょう。
私は、「花と野菜のプレミアム培養土」を使用しています。この製品は、ピートモスがベースのため、きめ細かく使いやすいのが特徴。
バーク堆肥や腐葉土がベースとなっている場合、木の屑や落ち葉が多肉植物の植え付けの際に邪魔になります。
今回は、肥料成分を培養土で補うため、肥料が入っているかどうかも確認しておきましょう。
春~夏に植え替えて、秋まで肥料成分を維持したい場合は、肥料成分が120日間維持のものを選ぶと良いです。
逆に、肥料成分が1年間維持される培養土だと、秋~冬の紅葉を楽しめなくなるので注意してください。
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3培養土を混ぜよう
「花、野菜の培養土」を先ほど配合した「水はけ重視の土」に混ぜていきます。
といっても、混ぜる分量は、少量。
エケベリアなら土の全体量の10%程度、セダムなら全体量の30%程度というように、育てる多肉植物の種類によって培養土の量を調整します。
セダムは、肥料と水を好むので多めに培養土を入れても大丈夫。
エケベリアには、培養土を少なめに入れることで締まった株に仕上げることができます。
どんな比率で混ぜるのか、参考として表を用意しました。
種類 | 花、野菜の培養土の割合 |
葉挿し用(成長を早めたいとき) | 40%~ |
セダム・クラッスラ・アエオニウム・センペルビウム | 30%~ |
エケベリア(薄い葉)・パキフィツム・ハオルチア・コチレドン・カランコエ | 20%~ |
エケベリア・グラプトベリア・グラプトペタルム | 10%~ |
例えば、エケベリア用の1リットルの配合用土をつくりたい場合は、
- 水はけ重視の配合土900ml
- 花、野菜の培養土100ml
を混ぜれば完成です。
害虫対策をしたい場合は、オルトランDXなどの薬剤を入れておきます。
日照時間や風通しによって、土の割合を調整することで、「自分専用の最強の土」が完成します。
例として、
- 素焼きの鉢を使う → 土が乾きやすいので赤玉土を多めに入れる
- 風通しが悪い → 水はけを良くするために日向土を多めに入れる
- とにかく早く育てたい → 花、野菜の培養土の比率を上げる
余談ですが、この土を使って育てた株で葉挿しをすると成功率が高いです。培養土の栄養素が葉っぱの中に蓄えられるため、成功率が高いのだと思います。
この用土は、葉刺しに使うこともでき、葉挿しの成長速度も速くなります。葉挿しに使いたい場合は、赤玉土、日向土などの粒を小さくすることをお勧めします。
このようにして、自分の育成環境にあった培養土をつくっていきましょう。
培養土を混ぜると成長が早い?
やはり、肥料成分を与えたほうが早く、大きく成長します。
多肉植物は肥料が無くても育つといわれていますが、成長速度が遅いいため、肥料成分を少量でも入れるようにしています。
春~夏に「花、野菜の培養土」を使用した用土に植え替えることで、秋には土の肥料成分が切れるため綺麗な紅葉も楽しめます。
秋に植え替えをする場合は、「花、野菜の培養土」の比率を下げる、もしくは入れないことで紅葉を楽しめると思います。
培養土を混ぜるデメリット
考えられるデメリットは、「花、野菜の培養土」の販売が終わったり、配合が変わると同じ用土を再現できないこと。
とはいえ、他の培養土でも似たような土は再現できるし、袋に記載されている土の種類を見て似た培養土を見つけることもできるはず。
慣れたらココピートやピートモスを買って自分で配合するのも良さそうです。
まずは、市販の培養土を混ぜてみて、多肉植物の生育にどのような変化があるのかを研究してみましょう。
まとめ:花の培養土を使って多肉植物の土を作る
最後にまとめです。
まず、これらの用土使ってオリジナルの配合土を作ります。
- 日向土(ボラ土)
- 鹿沼土(硬質タイプ)
- 赤玉土(硬質タイプ)
- パーライト
- 軽石
我が家の配合は、
- 赤玉土(硬質タイプ)1
- 日向土(ボラ土)1
- 鹿沼土(硬質タイプ)0.1
今回使った用土はこちらです。
どんな配合にすればよいか分からない場合は、この配合でも大丈夫です!ぜひ、真似して作ってください。
この土に、市販の培養土を混ぜて「オリジナル培養土」へと進化させます。配合は多肉植物の種類によって調整します。
私は、「花と野菜のプレミアム培養土」を使用しています。この製品は、ピートモスがベースのため、きめ細かく使いやすいのが特徴。
種類 | 花、野菜の培養土の割合 |
葉挿し用(成長を早めたいとき) | 40%~ |
セダム・クラッスラ・アエオニウム・センペルビウム | 30%~ |
エケベリア(薄い葉)・パキフィツム・ハオルチア・コチレドン・カランコエ | 20%~ |
エケベリア・グラプトベリア・グラプトペタルム | 10%~ |
こんな感じで、成長速度や紅葉の具合を見て用土を調整していきましょう。
用土の研究は多肉植物の楽しみ方の一つだと思いますので、多肉植物の成長とともにゆっくりと(数年単位で)楽しんでいきましょう。