多肉植物を育てている皆さん、夏越しの季節がやってきましたね。近年の猛暑では、これまでの常識だけでは対応が難しくなっています。
そこで今回は、多肉植物の夏越し対策として注目を集めている「午後4時の霧吹き」テクニックをご紹介します。
「午後4時の霧吹き」って何?
簡単に言うと、毎日午後4時頃に多肉植物に霧吹きで水をかける方法です。
普通の水やりとは違って、スプレーを使用して霧状の水を多肉植物全体と周りにちょっとだけ吹きかけます。
これだけで、こんな効果が期待できるんです。
- 多肉植物の体温を下げる
- 水分補給ができる
- ダニなどの害虫対策になる
まず、葉っぱの温度を下げることができます。 霧吹きの水が蒸発するときに周りの熱を奪うので、植物の表面温度を効果的に下げられます。
暑さによるストレスを和らげて、健康的な状態を保てるということ。
水は、根だけでなく葉っぱからも吸収されます。乾燥しがちな夏でも、適度な水分補給ができるのも嬉しいポイントです。
また、定期的に霧を吹きかけることで、ダニなどの害虫を寄せ付けにくくします。霧吹きの際に、ダニ用の薬剤や、総合殺菌剤を使うことで病気対策にもなります。
ダニ予防に「ダニ太郎」
病気予防に「ダコニール」
薬剤には、様々な種類があります。
同じ薬剤を使い続けると、ダニや菌に耐性をつけられてしまうので、ローテーションで薬剤の種類を変えるのが効果的です!
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霧吹きの注意点
▲これは、やりすぎ
「午後4時の霧吹き」は効果的ですが、こんなことに気をつけましょう:
- 水のやりすぎに注意
- 朝は水滴をとる
- 植物によって違う
霧吹きだからといって、たくさんの水をかけるのはNG。軽く霧を吹きかける程度でOKです。
葉に水滴が残っていたら軽く払いましょう。水滴がレンズみたいになって、日焼けの原因になることがあります。
多肉植物の種類によって、暑さに強いものや弱いもの、水を好むものや嫌うものがあります。
なぜ午後4時なの?
午後4時を選ぶのには、ちゃんとした理由があります。
- 一日で一番暑い時間(正午から午後3時頃)が過ぎている
- 夕方の涼しさが始まる直前
- 植物が夜の間に水分をしっかり吸収できる
霧吹きのやり方
スプレー & 水
リキダス(あれば)
▼用意するもの
- スプレー(散布機があると楽)
- 水
- リキダス(あれば効果的)
ざっくりとした手順
- 冷たい水を使う
- 葉っぱに水滴がつく程度に軽く吹きかける
- 土が濡れないように気をつける
- 植物の周りにも水をかけて、全体の温度を下げる
大事なのは水をかけすぎないこと。
多肉植物は水を嫌がるので、軽く霧を吹きかける程度で十分です。
土が濡れすぎると蒸れの原因となるので注意。また、周り(育苗ケースなど)にも水をかけてあげると効果的です。
リキダスは葉面散布でも効果がありますが、毎日使う必要はないです。
リキダスは、植物の夏バテや、寒さに耐性をつけたいときに効果的とされています。
使う場合は、10日に1回程度でOK。水やりのときに与えれば、リキダスで霧吹きする必要はなし。
いつからいつまで?
- 6月下旬から始める
- 7月、8月は毎日続ける
- 9月以降も害虫対策として続けるといいでしょう
梅雨が明けて暑くなり始める6月下旬から始めて、一番暑い7月、8月は毎日続けましょう。
9月以降も、虫除けとして続けると効果的です。
夏越し、その他のポイント
成長を止めないことが大切です。夏は、多肉植物を完全に休ませるのではなく、ゆっくり成長させましょう。
適度な水やりと遮光で、元気な状態を保つのがコツです。
水やりのタイミング
普通の水やりは、10日に1回くらいを目安に夕方にしましょう。
夜の間にしっかり水を吸ってくれます。
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日よけ(遮光)
直射日光は避けつつ、十分な光も必要です。
40~50%くらいの日よけが理想的。
日よけネットを使ったり、軒下に置いたりと、工夫してみてください。
7月が正念場
一般的に7月が一番暑いと言われています。
まとめ
「午後4時の霧吹き」テクニックは、多肉植物の夏越しにとても効果的です。この簡単なお手入れを毎日続けることで、暑い夏でも多肉植物を元気に保てます。
スプレーは、100円ショップのものでも大丈夫ですが、噴霧器や散布気があると作業がはかどります。
多肉植物の夏越しは大変ですが、きちんとケアすれば乗り越えられます。
「午後4時の霧吹き」を中心に、水やりや日よけなどのポイントを押さえて、大切な多肉植物と一緒に暑い夏を乗り越えていきましょう。