当記事は、多肉植物の葉挿しに使う土に迷っている方向けの記事です。
「早く成長させる土が知りたい」、「葉挿し成功率を上げたい」「葉挿しが成功しない」といった疑問を解決する記事内容となっています。
結論は、「種まき用の培養土を使いましょう」ということ。種まき用の培養土を使う際のポイントや注意点についても解説します。
この記事で学べること
- 葉挿しの土の最適解がわかる
- 葉挿しのやり方がわかる
- 早く成長させる世話の仕方がわかる
葉挿しに使う土の最適解
多肉植物の葉挿しに使う用土は、目の細かいものがベストです。
- 葉挿しを挿しやすい(作業のしやすさ)
- 根が張りやすい(成長のしやすさ)
- 適度な肥料(活力剤)成分(成長の加速)
これらをすべて備えた用土が、「種まき培土」です。
▼これが、種まき培土。目が細かく、葉挿しをサクサク挿すことができて作業効率が良い。様々なメーカーから販売されています。
▼種まき培土は、基本的には業務用で大容量なものが多いですが、花ごころから「5リットル入りのさし芽種まきの土」が販売されています。家庭用ならこれでOK!
土の準備~葉挿しの手順
それでは、土の準備から始めていきます。
ここで解説する内容は、100%正しい方法とは限らないので注意してください。栽培環境や気候によっては最適ではない可能性もあります。
【用意するもの】
- 硬質赤玉土(小粒~細粒)
- 日向土(小粒~細粒)
- 種まき培土
- 葉挿し用のトレーや鉢
ポイントは、「種まき培土」を使うこと。
種まき培土を使う、メリットはいくつかあります。
- 肥料成分が含まれているため、葉挿しの成長を加速させる
- 土の目が細かいため、葉挿しの葉が挿しやすい
- 発根後の根の張りが段違いに良い
一番のメリットは、葉挿しの葉を挿しやすいこと。
粒の大きい土では葉挿しが挿しづらく、根も張ることができません。
目が細かいため、根の張り具合が良く、活力剤の成分も含まれているため、初期成長の助けとなります。
「種まき培土」の成分は、ピートモスや、バーミキュライト等が使われていることが多い。
ピートモスや、バーミキュライトは、無菌で清潔なので葉挿しが腐ったり、ジュレたりしづらいのです。
ちなみに、「硬質赤玉土」は製造の過程で熱処理するため無菌で清潔。
「日向土」は、"日向土販売株式会社"の製品であれば、無菌です。
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1土を配合しておく
「硬質赤玉土」と「硬質日向土」を1:1の割合で混ぜておきます。
葉挿しに使用する為、根の貼りやすさを重視して小粒~細粒のものを使用します。
「硬質赤玉土」は、通常の赤玉土と比べると、価格が2~3倍と高価ですが、ふるいにかけて再利用が可能なので、コスパは悪くありません。粒が崩れづらく、微塵が少ないといったメリットがあります。
「日向土」は軽石の一種なので、基本的には粒が崩れません。
普通の軽石とは違い、水に沈むという性質があるため、水やりの際に浮いてこないというメリットがあります。日向土は、排水性を高めるために使用します。
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2土をトレーに入れる
STEP1で配合した土を植木鉢に入れます。
しばらく植え替えの予定が無い場合は、肥料やオルトランやアルバリンなどの防虫剤を混ぜておいても良いでしょう。
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3表面に種まき培土を入れる
配合した土の表面に「種まき培土」を入れて平らにならします。「種まき培土」は、1~2cm程度しいておけば問題ありません。
「種まき培土」にはいくつか種類がありますが、対象品目が「多品目」となっているものを選んでおくのが無難です。
「種まき培土」には、ネギ専用や、タマネギ専用と書かれているものもあります。
それらの違いは、肥料の成分比率や、使われている用土にあります。
せっかく「硬質赤玉土」を使っているのに、「種まき培土」に硬質ではない赤玉土が混ざっていたら勿体ないので、使われている用土はチェックしておくと良いかも。
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4葉を挿す
「種まき培土」は目が細かいため、葉挿しの葉が挿しやすい。
サクサクと挿していけるので、スムーズに作業できます。
葉挿しを縦向きに挿すか、横向きに挿すかは好みの問題です。
どの向きで挿しても問題ありませんが、生長点が土に隠れるように挿す必要があります。生長点が土の外に出ていると、カルス化(生長点の硬化)したり、発芽・発根が遅れたりします。
カルス化とは
植物が傷口につくる細胞の塊。葉挿しの場合は発芽、発根の妨げとなります。
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5湿度を与える
葉挿しの発根には、湿度が必要です。
葉挿しの葉を土に挿した後は、土の3分の1が湿る程度に水やりを行います。
葉挿しを挿してから、すぐに水を与えても問題ありませんし、数日間待ってから水を与えても問題ありません。要するに、好みの問題です。
「種まき培土」は水持ちが良いので、水の与えすぎには注意が必要です。
とはいえ、「種まき培土」の下には水はけの良い配合土が入っているので、少しくらい水が多くても問題ありません。
土の乾き具合を見ながら、1週間に1~2回の水やり(湿度上げ)を行います。
この時点で最も恐ろしい害虫は、ナメクジとカタツムリです。
葉挿しの葉を食べに来るので、ナメクジやカタツムリが発生する季節の場合は対策をしておきましょう。
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種まき培土は自作が可能
市販の種まき培土を購入しても良いですが、自作することも可能。
自作すれば必要な分だけ手に入れることが可能で、アレンジも自由にできます。
種まき培土のポイントは、いくつかあります。
- 目が細かいこと
- 清潔であること
- 肥料成分は微量であること
自作をする場合は、これらのポイントを重視します。
▼目の細かいふるいが必要となるので、用意しておきましょう。
作り方は、以下の通り。
- 「硬質赤玉土」や「日向土」を目の細かいふるいにかけて1mm程度の大きさの粒だけを選別
- 「市販の花、野菜の培養土」をふるいにかけたものを土の20~30%程度混ぜる
- 完成
通常は捨ててしまったり、水やりの際に流れ出てしまう「微塵に近い粒」を使用するのがポイント。
追加で土を購入すること無く、「種まき培土」に近い土を再現できます。
花、野菜の培養土を混ぜることで、肥料成分を追加できるので無肥料よりも早く大きく育ちます。
花、野菜の培養土を混ぜるのもアリ
我が家の環境では、多肉植物の植え替え時に「花、野菜の培養土」を混ぜることがあります。
葉挿しでも「花、野菜の培養土」を混ぜて育てた実績もあります。
結果、無肥料よりも早く大きく育ちます。
▼こちらの記事で解説しています。
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発芽したら植え替え
発芽して、直径が1cm~2cmのサイズ(品種による)になったら植え替えを行います。
多肉植物は、植え替え回数が多いと、根が刺激されて成長速度が早くなります。
多肉植物を大きく育てたい場合は、「育苗トレー → 7.5cmポット → プレステラ90」といったように、徐々に鉢を大きくしていくと良いです。
種まき培土は葉挿しに使うと良い
種まき培土は目が細かいため、葉挿しにピッタリの用土です。
水持ちが良いので、「硬質赤玉土」や「日向石」などと組み合わせて使うと過湿による根腐れやジュレ化を防ぐことができます。
種まき培土をつかうと、根の張りが良くなり、成長が促進されます。
葉挿しを早く育てて見たい方は、ぜひお試しください。