「多肉植物 冬越し」「多肉 室内 管理」「多肉 耐寒温度」を狙う実践ガイドです。
属名ごとの“安全目安温度”と、今日からできる防寒対策を網羅しました。結論はシンプル。

まず結論:冬は“温度5℃ライン”と“乾燥”
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5℃を下回る夜は要警戒。
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乾かし気味が正義。
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計測器で事実ベース管理。

属名ごとの耐寒温度と対策(目安)
※同じ属でも品種差があります。乾燥・無風・短時間なら下限に近づけることも可能ですが、安全運用は+2~3℃の余裕を。

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センペルビウム(Sempervivum)
目安:−20℃〜(露地でも強い)
対策:雨雪の過湿回避が最優先。屋外可だが雨よけ+風通し。鉢は素焼き+排水性土。 -
セダム(Sedum)
目安:−10〜−20℃(種により幅)/葉物系は**−5〜−10℃程度
対策:強耐寒種は屋外OK。凍結・連続降雨を避ける覆いを。軟葉系は5℃以上**で室内へ。 -
エケベリア(Echeveria)
目安:0〜5℃(できれば5℃以上)
対策:夜間0℃割れ回避。室内に取り込み、LED+微風で徒長防止。水やりは月1〜2回の軽め。 -
グラプトペタルム(Graptopetalum)
目安:−3〜−5℃(乾燥下で強め)
対策:乾燥維持で耐寒UP。放射冷却の当たる軒先は不織布二重+断熱マット。 -
グラプトベリア/パキフィツム(×Graptoveria/Pachyphytum)
目安:0〜5℃
対策:5℃以上キープが安心。夜だけ室内へ“避難”運用も有効。 -
ハオルチア(Haworthia)
目安:5〜10℃
対策:寒さより過湿に弱い。 低光量でもOKだが徒長防止に弱LEDを。腰水NG。 -
クラッスラ(金のなる木等/Crassula)
目安:0〜5℃(一部**−1〜−3℃**耐える例も)
対策:冷え+湿り=落葉に注意。夜間は室内窓辺から離す(窓際は放射冷却で急低下)。 -
アエオニウム(Aeonium)
目安:8〜10℃以上
対策:暖かめ&明るめが安定。昼:窓辺/夜:部屋中央で冷気回避。乾燥気味に。 -
カランコエ(Kalanchoe)
目安:10℃以上
対策:低温に弱い。常に室内で。花芽管理は短日+十分な光。 -
リトープス(Lithops)
目安:5℃前後(凍結厳禁)
対策:完全乾燥期を徹底。水やり停止〜極少量。夜間の窓冷気を避け室内奥に。 -
アガベ(Agave)
目安:−2〜5℃(耐寒種はさらに下も)
対策:一般家庭は5℃以上で。雨除け+風通し、大型株は断熱ボードで鉢冷え防止。
覚え方:
“センペル・セダムは外でOK、エケ・ハオは5℃キープ、アエオ・カランは室内10℃”。
室内管理の基本セットアップ
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設置:南〜東の窓辺に簡易ラック。ガラス面から15〜30cm離す(結露&放射冷却対策)。
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光:タイマー付LED(12〜14時間)。冬は日照不足が常態、「光は貯金」の意識で。
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温度:温湿度計のMIN/MAXで“夜間最低”を把握。5℃割れが続くなら場所替え。
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断熱:鉢下に断熱マット、群生は不織布カバーで微気候を作る。
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潅水:用土が完全乾燥してから“数日待つ” → 鉢底から少量抜ける程度。夕方以降は避ける。

窓にプチプチを貼って断熱するという手もあります。
どうしても置き場がない時には有効な手段。
屋外勢の防寒
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1層:雨よけ(軒下・簡易ルーフ)で過湿ブロック
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2層:不織布をふんわりと二重にかける
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3層:鉢周りに断熱ボード/発泡スチロール
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追加:放射冷却の強い夜はビニール温室に格納、朝は開放して結露抜き
迷ったら「過湿を切る→風を通す→断熱を足す」の順で。
水やり頻度の目安(冬)

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硬葉・寒さ強め(センペル/セダム耐寒種/アガベ):月0〜1回(葉の張りで判断)
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軟葉・標準(エケベリア/グラプト系/クラッスラ):月1〜2回の控えめ
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室内陰性(ハオルチア):月1回以下、腰水は厳禁
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リトープス:断水〜ごく微量(脱皮サイクル優先)
よくある失敗 → こう直す
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窓ぴったり配置:夜間0℃近くまで落ちることあり → ガラスから離す
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日照不足の徒長:LED+タイマーで毎日12〜14h
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結露・カビ:朝に換気+微風、不織布は昼にめくって湿気抜き
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“寒いから水”の誤爆:寒い=根が動かない。乾燥維持が正解
まとめ:冬は「測って、乾かして、当てる」
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測る(温湿度計・土壌水分計)
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乾かす(過湿回避、冬は控えめ潅水)
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当てる(LED光を時間管理、微風で蒸れ対策)

