多肉植物を育てる上でよく直面する「蒸れ」についてお話しします。
特に、蒸れがカビや菌によって引き起こされるという点に焦点を当てて解説します。
蒸れの主な原因
カビや菌を繁殖させない環境づくりが大切です。
カビや菌が繁殖する主な原因は、
- 過剰な水やり
- 通気の悪さ
- 高温多湿の環境
多肉植物は乾燥に強いため、水を与えすぎると根っこが常に湿った状態になり、蒸れの原因となります。
多肉植物が密集していると、風通しが悪くなり、蒸れやすい環境が生まれます。必要に応じて扇風機などを使用がおすすめ。
解決法①:風通し
風通しの良い環境を用意します。屋外なら自然の風があるので、扇風機は無しでも大丈夫。
ただし、多肉植物が密集していると風の流れが遮られてしまうので、鉢と鉢の間を空けるなどして、多肉植物同士の間隔をあけてあげましょう。
密集していると蒸れやすい。
解決法②:薬剤散布
カビや病原菌を退治してしまうという方法もあります。お手軽なのはスプレータイプで販売されているもの。
様々な種類がありますが、「灰色カビ病」や「うどんこ病」に効果のあるスプレーを選べば問題なし。
オススメはコレ
希釈して使うタイプの薬剤もあります。たくさん多肉植物を育てている場合は希釈タイプがおすすめ。大量に散布できるので、スプレータイプよりもお得です。
希釈するタイプの薬剤は、展着剤を使用するのがおすすめ。植物の葉にしっかりと薬剤がつくようになるので効果が長続きします。
あとは、スプレーが必要となりますが、スプレーは100円ショップで売っているものでも問題なし。
100円ショップで売っているスプレーは容量がすくないので、専用の散布気を使うのも良いです。1000~2000円で購入でき、圧力をかければ長時間スプレーできるので楽しい。そのうえ、細かい飛沫が発射されるので、ムラなく散布できます。
一家に一台どうでしょう
水やりの頻度にも注意
まだ湿っているので、水やりしない
使用している土によって、水やりの間隔を調整する必要があります。
逆に言えば、理想の水やり管理をするために土を配合するのがおすすめ。
私は、土が乾いてから3~4日後に与えるのが良いとしています。
多肉植物の成長を止めずに、強い多肉植物を育てるイメージで水やりをしています。
▼夏の水やりについてはこちらの記事を参考にしてください。
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【ジュレ・葉焼け】多肉植物の夏の育て方。枯らさないためのポイントと水やりのコツを解説。
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カビや菌の種類と影響
多肉植物に発生するカビや菌の種類を紹介します。
灰色かび病(ボトリティス菌)
葉や茎に灰色のカビが発生する病気です。
最初は小さな斑点から始まり、やがて広がって植物全体を覆うようになります。湿度の高い環境で特に見られます。
根腐れ病(ピシウム菌)
その名の通り根が腐ってしまう病気で、多肉植物が急に元気を失う原因となります。
根が腐ると水分や栄養素を吸収できなくなり、最終的には枯れてしまう
うどんこ病(エリシフェ状菌)
葉や茎に白い粉が発生する病気です。
湿った環境から、乾燥した環境に変化する際に発生しやすいです。
粉系の多肉植物(ラウイなど)には白い粉がついていますが、これはうどんこ病ではありません。
多肉植物を観察する
蒸れの初期症状は、多肉植物の葉の変色です。
- 葉が黄色っぽく変色する
- 葉がブヨブヨになる
- 葉に黒い粒々が現れる
などの症状があります。
異変を見つけたら、その葉は取り除いて茎まで菌が侵食していないかをチェックすると良いでしょう。
茎をカットして、茶色や、黒くなる場合は菌にやられています。茶色や黒い部分を取り除いて清潔な土に際しておけば発根して復活してくれます。
まとめ:風通しと薬剤散布で解決する
最後にまとめです。
多肉植物の蒸れは、風通しと薬剤の散布で解決できます。カビや細菌が繁殖しづらい環境を作ることが大切です。
ビニールハウスで多肉植物を育成している農家さんは、ハウス内に湿気がこもらないように扇風機やサーキュレーターを使用しています。
屋外管理なら扇風機は必要ありませんが、風通しの悪いベランダや室内管理の場合は空気が循環しているかがポイントとなります。
小さい扇風機を設置したり、サーキュレーターを設置するなどの対策が必要となります。
また、多肉植物の鉢の間隔を空けてあげることで通気を良くすることもできます。