この記事では、多肉植物を綺麗に育てるための方法を解説します。
CAM型光合成の効率を高め、適度なストレスを与えることが重要となります。
この記事で学べること
- 多肉植物が必要とする日照時間
- 日照時間が長いことによるメリット
- 日照時間の考え方
- 夜に光を当てているとどうなる?
1日に何時間日光に当てればよいのか?
結論:1日に6時間以上の日光を当てるのが良い。
そこで疑問が生じます。
- 6時間以上の日光に当てたらどうなる?
- なぜ6時間なのか?
- 日照不足だとどうなる?
それらの理由を解説していきます。
多肉植物は、CAM型光合成をしている
「CAM型光合成」とは、昼は気孔を閉じて水分を温存し、涼しい夜に気孔を開き呼吸をすること。
通常の草花とは逆のことを行っており、過酷な砂漠や荒野で生き残るための術です。
夜に二酸化炭素を取り込み、「リンゴ酸」という物質に変えて昼まで貯蔵、昼になったらリンゴ酸を二酸化炭素に戻して光合成を行っています。
多肉植物の成長が遅いのは、「リンゴ酸に変換」というひと手間を行っていることが原因とされています。
天気が晴れなら"午前中で光合成が完了"する
多肉植物は、夜の間に翌日分の光合成をするための力(リンゴ酸)を蓄えて、光合成をおこないますが、前日の夜に仕込める光合成の材料(リンゴ酸)には限界があり、論文や研究によると、半日分の材料しか仕込むことができないのです。
午前7時から太陽が出るとすると、13時には光合成に使えるパワー(リンゴ酸)を使い切ってしまいます。
つまり、5~6時間程度が光合成できる限度となります。
午後の間は、ただ太陽にあたっているだけで、光合成による成長を行うことができません。ただ光を浴びているだけの状態となります。
つまり、多肉植物が必要とする日照時間は、半日分でも十分ということ。
ですが、より強い株に育てたい場合は、もっと長い時間日光に当てておく必要があります。
光合成できない状態で日光を受けるのは、多肉植物にとってはストレスとなりますが、ストレスを与えることで綺麗で強い株に育っていきます。
ストレスを与えるのは大切
午前中の間に光合成をしたら、午後の間に受ける日光はストレスとなります。
ストレスを与えることも大切で、以下のようなメリットがあります。
- 葉の色が紅葉する
- 締まった株に育つ
- ラウイなどの粉系の多肉植物であれば、粉が増える
- 防衛本能で強く育つ
など、一般的によく言われる「綺麗な株」に育てることができます。
夜の間は暗くしてあげるのが大切
光合成の効率を高めるためには、夜の間は暗くしてあげるのが大切。
翌日の為のパワー(リンゴ酸)をしっかりと貯えさせてあげましょう。
早く育てたいからと言って、昼は日光、夜はLEDライトに当てる・・・とかをやっていると逆効果となるということです。
1日中、陽に当てるのがベスト
先に説明した通り、午前中は、光合成によって成長をすることができます。
午後の日光はストレスとなり、株を強くすることにつながります。
あまりにも日差しが強い場合は、遮光をすることも大切ですが、遮光もしすぎないようにしてあげるのが大切です。
午後だけ日光に当たるパターン
午後だけ日光に当たるパターンも考えてみましょう。時間でいえば、12時~17時頃。
12時から光合成を開始して、日没まで光合成をするパターンです。
午後だけ日光に当たるパターンでも、問題なく成長することができますが、午後は、西日となります。
一日のうちでも、気温の高さと湿度の低さがピークの時間帯です。そこから更に照らされる事になるため、ストレスがより強くなります。
午後だけ日光を浴びた多肉植物は、紅葉が強めに出るなどの特徴があります。(特に夏)
これは、西日によるストレスによるものと考えられます。
午前中だけ日光に当たるパターン
午前中だけ日光に当たり、午後に日光が遮られる環境の場合は、紅葉が弱くなる傾向があります。
午前中の間だけ、効率よく光合成を行い、西日によるストレスを受けないことが原因と考えられます。
日光に当てないとどうなるのか?
日光に当てないと、デメリットしかありません。
- 多肉植物が日光を求めて徒長する
- 土が乾きづらくなるため、根腐れの原因となる
- 株が弱くなり、病気の発生につながる
多肉植物を綺麗に育てるためには、なるべく長い時間日光に当てて、強い株に育てていくことが大切です。